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イチゴイチエ ~Once in a life time
せんせい7年目猛進中。 天職だと思う日もあれば、そうでない日もある。日々うたいつづっています。 
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 いつも中学生を相手にしているとなかなか感じることのない、新たな視点を開拓することのできた夏でした。

この高校生たち15人は普段授業で関わっているわけでもなく、本当にひょんな縁で付き合うこととなり半年、学校の歴史上初のコンクールに挑戦しました。
常に自分たちが能動的に練習メニューを考え、行程を主導し、嫌な日はあったでしょうが、くじけることなく、自分たちの音楽を追い続けてきました。
となりの音楽室から聞こえてくる大音量のブラスバンドの音にも怯まず、夏の暑さにも負けることなく、書道室でもくもくと日々練習を続ける姿勢に、ひとつの部活生の理想像を見出しました。とかく自暴自棄になり投げたしたくなる練習をここまでストイックにこなす女子高生は、そうたくさんいないと思います。
結果は奨励賞でしたが、先生はあなたたちの音楽に寄り添えたことを誇りに思い、嬉しさでいっぱいです。

努力を継続することの普遍をあなたたちの姿から学びました。本当にありがとう。やっとスタートラインだね!

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高栄 様

 名古屋の様子はどうですか。熊本は新緑の頃になり、花見も藤・ツツジと移り変わりつつあります。
 書類が来たので送ります。梨莉(妹の名前)の話ではパパの所へも着いたとの事ですよ。二重になってないか、telして確認してね。
 
 梨莉は3月の始めに帰熊して、東京へ移り、今月6日に熊本で就職するとの事。現在、就職準備中です。純也(弟の名前)はあと1年大学生活をしなければならず、楽しさと苦しさ半々で毎日過ごしています。

 母は9町内自治会会計も任期終了し、やっと解放されました。父と仕事に専念したいと思います。
 佐敷の母は、現在、市内の尾の上比企グループ「(施設名)」という施設に入院し、昨今認知症の気配ありという事で、近日、母が行ってきます。昨年の9月見舞の折は、元気で、高栄・梨莉・純也の話もしました。少々残念ですが、母も85歳、そして父も91歳で、増々高齢化していくのは仕方ないです。
 時の流れは速く、着実にパパも私も老いていくのだと認識している昨今です。
 
 母は、貴方達には、この先悔いなく自由に豊かな感性で、自分の人生を過ごして欲しいと願っています。
 長男だから、長女だからとか、次男だからのしがらみ等は一切必要なしです。
 
 高栄も今日まで、悲しい事、嬉しい事、苦しい事、色々な経験をし、大人に成ったでしょう。
 後を振り返る事なく、前を見て進みなさい。母は+(プラス)思考でここまできました。
 決して、過去を振り返ってはいけません。高栄への母からのメッセージです。いつも元気で笑顔の高栄を母は心の中に思っています。
 自分を信じて前進して下さい。

 (中略)
 
 高栄も身体に気を付けて、仕事に専念してね。

 母も頑張ります。

 4/17 母 


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 自分は、父や母の書く字が大嫌いで書道を習い始めた。
 なんとなく癖があり、幼いながら「こんな字は書きたくない」と一種の軽蔑すら覚えた。

 祖母(母方)の知り合いの書道教室にお世話になり、一応中学いっぱいまでやり通したと思う。
 それからは至る所で字を褒められるようになり、得意気になり、また綺麗に字を書きたいと思い、とにかく親に対して優越感を抱きながら字を丁寧に丁寧に書き続けた。

 祖母が亡くなってから、自分のいろんな書道の作品を見つめ、自分がなぜ字にこんなにもこだわり続けたかを見直す機会があった。そこでも気づかなかったことがある。

 それは、親の書く字が、こんなにも味があり、想いがこもっているということ。

 在学中、一度ももらわなかった手紙。
 不意に名古屋に届いた一通の手紙。

 仕事で気が滅入った時。子供のことで悩んだ時。思うような毎日が送れない時。

 最近はよく手紙を見返して、心を熊本まで飛ばしながら、想いにふけっている。

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ひとつの別れがあると
そのことでまわりの人間関係は微妙に変わる
別れは何もかもゼロにするのではなく
小さな出会いを残していく
別れでできた傷口にやさしくしみる出会いを…

  

 津田まさごろ(女声合唱のための12のシャンソン「日々のあぶく」より)

 別れが生んだ出会い



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 いつも理由をつけて見に行けない紅葉を見に行こうと思う。
どうも愛知県は、予報では23日がピークらしい。off(の予定)だし、足を運ぼうかと。

秋はもう晩期だが、熊本はまだ暖かいだろうか。
中学の合唱コンクールで熱を帯びていた頃や、高校の通学路を思い出す秋。
学生は時間がないと戯言を言いながら、十二分に楽しんでいたんだろうと振り返る。

秋はとても好きだ。

恵那に紅葉の素敵な風景を見つけた。年末への鋭気を養おう。

ふるさとの秋を思い出す。日本の本当の秋がすぐそこに。



 やがて秋  (立原道造「暁と夕の詩」より)

やがて 秋が 来るだらう
夕ぐれが親しげに僕らにはなしかけ
樹木が老いた人たちの身ぶりのやうに
あらはなかげをくらく夜の方に投げ
すべてが不確かにゆらいでゐる
かへつてしづかなあさい吐息にやうに……
(昨日でないばかりに それは明日)と
僕らのおもひは ささやきかはすであらう
――秋が かうして かへつて来た
さうして 秋がまた たたずむ と
ゆるしを乞ふ人のやうに……
やがて忘れなかつたことのかたみに
しかし かたみなく 過ぎて行くであらう
秋は……さうして……ふたたびある夕ぐれに――

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 最近は、差し迫った体育大会の練習に追われている。
特に、担任の生徒は能動的に物事を進めることが著しく苦手なため、こちらが気持ちを巻き込んでいかなければならない。体力勝負だ。

 残暑厳しいが、子どもたちのランニングに付き合っている。
もちろん走るのが得意な子ではないが、重い腰をあげて、運動音痴の自分と仕方なくやっているのだ。

 今日は本校まで、片道1,5kmの往復。
彼の種目は1500m走。できるだけ止まらずにペースを保ち続けることが目標だ。
汗を吹き出しながら、帰ってくる復路のこと。

 「はい、気をつけてくださいねー」

との声。通りがかり、新装開店した美容院から聞こえる。
よく見るとその声は、前任校の生徒だった。違反が懐かしい髪も伸ばし、ピアスもあけて、「今風」の容貌で働いていたのである。

 あまりにとっさの出来事だったが、自分はうれしくなり「おー○○、元気か!?」と声をかけた。
 すると、「あ、先生!何でここにおんの?」と返す。ちょっと眠たそうな声は健在だ。

 その後に、彼は、

 「ちょっとまってね、先生」

と続ける。出口で80くらいのおばあちゃんの見送りをしている最中だったのだ。


自分はしまったと思った。彼は自分と同じように仕事中であり、足の悪いおばあちゃんのケアをしている最中、自分のせいで手を止められていたのだ。

 「気をつけてね、おばあちゃん、段差ありますから」

 「あぁ、ありがとね、若いのに。こちらの方は誰なの?」

 「この人、俺の中学校時代の音楽の先生です!」

 「あら?この方、このお店の方じゃなかったの?(笑)」

などと、多少ちんぷんかんぷんな会話ではあったが、彼はしっかりとおばあちゃんとの話に華を咲かせ、対応していた。
最後までお客様を見送り、こっちを向く。「何で先生おるのー?」と。

 あとは、一緒に少し話をしたと思うが、彼の仕事の邪魔はできないと改めて思い、その場を失礼した。自分の中で、「ちょっとまってね、先生」の言葉が輪廻していた。

 すっかり一緒に走っていた生徒を忘れていた。彼もまた立ち止まり、自分たちの会話を聞いていたのだが、興味があったのか、「あのイケメンは何歳なの?」とか「いつの教え子なの?」などと、教え子が教え子に興味を持っている姿にまた不思議な気持ちになった。

 「俺もああやって美容院で働きたいなぁ。」

すばらしいことだと思った。
汗をかいて走った甲斐があったというものだ。


 何気ない生活の最中、ふと心の中をすうっと風が通ることがある。

 中学校生活はたった3年間、彼らの何を知ることができるだろう。知ってきただろう。

 こうやってはたらき、世界と関わろうとする姿を目の当たりにし、夕陽は一層まぶしく見える。


 「先生、走ってくれてありがとね。」

 と帰っていく彼。子どものうしろ姿を見ながら、また明日もがんばれると思う自分。


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